熊谷市原島地区の測定(中間報告)

ネットで「熊谷が高汚染地帯」などの情報がコピペされて拡散しているのが目に止まりました。深谷・熊谷地区を中心にその周辺地域を含めて、「放射能の見える化」を進めている私たちにとって、聞き捨てならぬ内容なので、今年の6月以降暇を見つけては少しずつ測定を重ねてきました。
この情報の元となるデータは、アメリカのエネルギー省国家核安全保障庁(DOE/NNSA)が公表しているもので、2011年4月7日、熊谷市原島で放射性核物質ストロンチウム89が、113,121Bq/kg測定されたなどの情報です。調べてみると、アメリカは、福島第一原子力発電所の過酷事故に伴い、あちこちで相当詳しく計測しています。座標も明らかになっているので確認してみると、アメリカ大使館、大使公邸、横田基地などの施設の他、埼玉県では、熊谷、秩父、鶴ヶ島、久喜などでも継続的に計測しているようです。
ところで、ストロンチウム89ですが、半減期が約50日と短いため、3年以上経過している現在では確認できません。また、ストロンチウム90も少なからず存在するとしても計測が難しい核種になります。そこで、原島地区のセシウムの測定を行い推測することにしました。アメリカのデータでは、座標が明確になっていますので、その周辺だけでもと思ったのですが、一応原島地区を全体的に把握することにしました。
ところが、測定を始めてみると、原島地区はたいへん広くしかも飛び地も多く、地区の特定だけでも簡単ではありませんでした。大雑把なとらえ方だと、国道17号の原島交差点から東方面、そして国道407号を挟んで東西の地区という感じで、中心は、国道407号のヤマダ電機あたりかと思います。

 

測定日は、2014年6月14日、6月28日、7月3日、7月19日、7月21日の5回
測定器は、ホットスポットファインダー(ポニー工業)

 

1.原島中心部を自転車で測定

2.原島東地区の住宅地を徒歩で測定

3.国道17号の原島交差点周辺を徒歩で計測

4.原島地区の移動測定結果

下の表は上記1.2.3.に対応しています。

5.定点測定(公表されている座標近く)

(1)ヤマダ電機から熊谷市スポーツ文化村くまぴあ(旧熊谷市立女子高校)の間付近

(2)国道17号原島交差点近く

6.まとめ
地域が広く断定はできませんが、今回の測定からこの地区も熊谷市の平均的な放射線量の範囲内ということです。アメリカのデータを参考に、定点測定も行いましたが、周りよりは若干高くはなりますが、特別な値ではありませんでした。そして、流砂や雨水が溜まったと思われる場所でホットスポット(0.3µSv/h前後)を発見しました。(民有地と思われますので公表はしませんが、子どもたちは遊ばない所と思います)

 

7.参考
DOE/NNSAのデータから作られた一覧表の一部、わかりやすいのでネットから転載します。興味のある方は、DOE/NNSAのデータが公表されていますのでチェックしてください。

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    大塚恒吉 (水曜日, 29 10月 2014 22:38)

    熊谷市在住の者ですが、結局、この数値が高いのか低いのか分りません。もう少し簡単にご説明お願い致します。

  • #2

    吉田 (木曜日, 30 10月 2014 00:34)

    大塚さん質問ありがとうございます。この地区の計測をした吉田といいます。結論からいうと原島地区は熊谷の平均的な汚染レベルです。福島第一原子力発電所の事故前は、熊谷地区は0.035μSv/hくらいといわれています。事故から3年半経過して0.06μSv/h(地上50cmの移動測定の平均)を記録しています。その意味では低いといえません。ホットスポット(0.3μSv/h)も記録しています。代表的な核種セシウム137の半減期は約30年です。単純計算してもほぼゼロになるまで約300年かかります。

  • #3

    榎屋誠 (金曜日, 14 6月 2019 21:25)

    今日のツイッターで埼玉県熊谷が出ていたのですが、本当?