さきたま緑道(鴻巣市・行田市)

測定日:2015 年1 月25日(日) 9時~12時
天 気:晴れ  微風
測定地:さきたま緑道(鴻巣市川面~行田市佐間) 
測定方法 地上高50cm を歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

1.移動測定《平均 0.058μSv/h》
さきたま緑道は、鴻巣市の赤見台近隣公園から行田市の佐間、野合交差点までの全長4.5kmで、そのほとんどは武蔵水路に沿っています。約4km地点でさきたま古墳公園に分岐し、JR高崎線北鴻巣駅からさきたま古墳公園までのルートにもなっています。近年「のぼうの城」でも有名になった「石田堤」も近く、北埼玉の観光スポットとして人気は高いようです。

さきたま古墳公園の駐車場に車を止め、レンタサイクルをと思ったのですが、近くになかったので徒歩で鴻巣市の赤見台近隣公園まで行き、帰りに定点測定をしながら戻ってきました。

この日は日曜日で、穏やかな気候にも恵まれ、たくさんの人たちが行き来していました。さきたま緑道は遊歩道と自転車道が完全に分かれ、所々交差するように造られています。遊歩道は石畳み、自転車道はアスファルトが基本で、多少の起伏もあります。計測しながら気がついたのですが、実は水路側と反対側に道路が併設されています。この道に入り込む車は、ほとんどないため車道を歩いたり走ったりしている人もいます。何の起伏もないのですが、それがいいのでしょう。さきたま緑道の特徴は、名前からも想像できますが、みどりが豊富なことです。冬場は寂しいのですが、一応四季を通じて楽しめるように設計されているようです。また、大伴家持や柿本人麻呂などの和歌が所々に掲示されていて、その後ろには和歌に読まれている植物が植えられています。さらに、道沿いにはたくさんの彫刻が設置されています。そういったものを観賞しながらの散策もできます。清掃や整備もきちんと行われていてゴミなども見当たりません。

前置きが長くなりましたが、この4.5km、約1時間の計測結果の平均は、0.058μSv/hでした。全体的には0.05~0.06μSv/hの間で推移していました。若干高いところは、上越・長野新幹線と平行している約100mと、さきたま古墳公園に分岐する地点の先約500mくらいです。0.06~0.08μSv/hくらいの値は示しました。


2.定点測定(地表付近と50cm地点の放射線量を、それぞれ60秒間の平均化した値です)
①国道17号を越える陸橋の上、一番目の彫刻「風のと(音)」の前です。台座が花崗岩で歩道橋表面は、煉瓦タイルのような素材です。(0.098μSv/h、0.100μSv/h

②ママ崎さんに敬意を表して、男の子が馬に乗っている「倭人伝」の前です。地面は土で周りに大谷石が敷かれています。銅像はブロンズなので、石からの放射線の影響は少ないようです。(0.071μSv/h、0.059μSv/h

③「橋」手前です。さきたま緑道で多用されている花崗岩ブロック上で定点測定をしました。下を流れるのは元荒川で、この川は武蔵水路と交差しています。名前の通り荒川はここを流れていたのですが、氾濫が多く江戸時代に熊谷市の久下あたりから今のルートに付け替えられました。(0.079μSv/h、0.067μSv/h

④数ある彫刻の中で子どもだったら必ず跨ぐと思われた「モコモコ」と名付けられた恐竜をモチーフにした作品を測ってみました。素材は御影石です。想像通りの結果になりました。

0.126μSv/h、0.065μSv/h

⑤古墳まで1kmの道標付近で計測しました。遊歩道と自転車道の間で地表は土とコケです。

0.056μSv/h、0.049μSv/h

⑥国道17号のバイパスを潜ると、さきたま古墳公園はだいぶ近くになります。東屋がある休憩所で埴輪が置かれている地点です。(0.061μSv/h、0.066μSv/h

⑦さきたま緑道の分岐点です。さきたま緑道はさらに延びますが、ここを右に折れてさきたま古墳公園に入って行くのが一般的なルートのようです。(0.068μSv/h、0.069μSv/h

⑧行田からだとスタート地点ですが終点です。この先、野合交差点の先はさきたま古墳公園です。(0.040μSv/h、0.042μSv/h、*上の写真では測定値が表示されてませんがこちらをご参照ください

 

3.まとめ
武蔵水路に沿って造られたさきたま緑道は幅も広く植栽も豊富です。全長は4.5㎞にもおよぶため、この周辺地域の汚染状況を知る参考になると思います。特徴として、距離があるため緑道を横切る一般道が何本もあります。安全性などの配慮からか、アクセントとして必ず交差する前後に花崗岩のブロックが敷かれています。ここは、0.07~0.08μSv/hくらいの値を示します。花崗岩からの放射線が影響していると思われます。ただ100%花崗岩からの放射線と言い切れないのが悩ましいところです。所々地面が土や芝生の場所でも測定してみましたが、高いところも低いところもありました。スペクトルからみてもセシウムは確認できます。あと、彫刻についてですが、花崗岩を使っているもの以外は高くありませんでした。