加須市 埼玉県環境科学国際センター

測定日:2015 年4月12日(日) 11時00分~13時30分
天 気:晴  無風
測定地:埼玉県環境科学国際センター(埼玉県加須市上種足914)
    加須市 種足(たなだれ)ふれあいの森 
測定方法 地上高50cm を歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

 

地球環境に特化した大規模施設で、国のモニタリングポストが設置されています。大きく、環境科学国際センターの建物群と武蔵野の自然を本格的に再現したビオトープ風な生態園、加須市の管轄と思われる種足(たなだれ)ふれあいの森、共通の駐車場の4つのゾーンに分かれます。

 

1.移動測定〈総移動平均 0.057μSv/h〉

①外周(アスファルト・敷石)           0.068μSv/h
②駐車場と展示場前広場(アスファルト・敷石)   0.058μSv/h
③種足ふれあいの森外周(アスファルト・木製チップ)0.061μSv/h
④種足ふれあいの森内側(土・芝・木製チップ)   0.050μSv/h
⑤生態園(土・草・アスファルト)         0.049μSv/h
 移動総平均                   0.057μSv/h

 

まず、同時刻帯のモニタリングポストの値は0.050μSv/hでした。設置場所が、地上2、3m付近の急斜面で地表は芝生となっており、HSFで測定したこの日の総移動平均値0.057μSv/hの方が、この付近の放射線量としては妥当な値だと思われます。(HSFは2000ポイント以上の測定値の平均です)

 

2.定点測定(60秒平均値)

3.まとめ

 

(1)放射能に無頓着な公園管理者たち(猛省を促します)
 おそらく、駐車場などの隅に溜まった土砂や枯れ葉を集めたものと思われますが、駐  車場からふれあいの森への入り口付近で、子どもたちが走り回るような場所に、穴を掘り埋め戻したところが3箇所ありました。どれも高い放射線を記録しました。この日の測定では、ラッパ遊具の手前が地表付近で0.23μSv/hを超えていて、この上を子どもたちが乗ったり転げたりすることを考えると、とても心配になります。親御さんたちは子どもたちを近づけないようにしてください(加須市は1μSv/h以上でないと除染しません)。それにしても、ここの公園管理者なのか下請け業者なのか、関東地方も福島由来の放射能で汚染されているという事実に無頓着すぎると思います。比較なのですが県の施設である隣の生態園にも同じような用途で枯れ葉や枯れ枝などを集積した場所がありましたが、木立の奥のあまり人が近づかない場所に設置されていて、しかも放射線量は高くはありませんでした。

 

(2)なんと環境科学国際センターの図書コーナーに放射能を扱った書籍が見当たらない!
 作業が楽だからと思われる廃土溜まりを、わざわざ子どもたちが遊び回るような中に造っていることにがっかりし、休憩がてらセンターの中に入り資料室を見ていると、さすが環境や公害などの書籍が充実しています。一通り見て気づいたのですが、なんとこの図書コーナーに、放射能汚染関連の書籍が見当たらないのです。すでに歴史的に公認された公害はいいけど、現在進行形の放射能汚染は駄目なのか、受付の女性に尋ねてみましたが、「分かりません」とのことでした。