加須市 はなさき水上公園

測定日:2015 年2月28日(木)10:00~11:30 晴れ北西の風3m プールエリア測定
    2015 年3月14日(土)10:30~16:30 曇り晴れ 南の風1~2m 全体測定

    2015 年3月15日(日)16:00~17:00 曇り 北東の風1m 駐車場の測定 

    2015 年3月21日(土)10:00~12:00 晴れ 南東の風3m 駐車場の測定

    2015 年3月24日(火)13:00~15:00 晴れ 北西の風5m 除染立会い

    2015 年3月25日(水)10:00~12:00 晴れ 北西の風5m 除染立会い

    2015 年4月18日(土)11:15~12:15 晴れ 南の風4m  除染後の測定

測定地:はなさき水上公園(埼玉県加須市水深1722)  
測定方法 地上高50cm を歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

 駐車場で除染基準0.23μSv/h超の広範囲なホットスポット発見

実際の測定は2日間ですが、ホットスポットを発見、除染を要請するための資料作りに2日、除染立会いに2日、除染後の確認に1日、合計で7日間の測定となりました。

《移動測定》 全体の移動平均 0.053μSv/h

《定点測定》

●エリア記号C 移動平均0.07μSvの「おもしろ自転車のりば」です。

 アスファルト面は全体に高め。自然放射線の影響もあると思いますが、やはり端のほうはセシウム由来であることがわかります。はなさき水上公園の中で最も空間線量の高いエリアとなりました。

写真3 プールサイドは着色されたコンクリート、0.07はコンクリートからの自然放射線の影響だと思われます。グラフにもセシウムのピークは現れませんでした。

写真4 安心できる値です。周囲のアスファルトの道を含めての移動平均も0.045、芝生地だけなら、もっと低い値になります。

写真5 大型遊具にはたくさんの幼児が遊んでいました。このエリアは特に詳しく測定しましたが、心配になる場所はありませんでした。

写真6 公園内の最大エリアです。外周、遊歩道、池岸と3周しました。問題になるような場所はどこにもありませんでした。

Nふれあいの森~野鳥の池エリアです。

写真7は木製デッキですが、落ち葉がかなり厚く積もっていました。測定してみると、クールスポットというほどの低線量。事故後3年目の落ち葉でしょうか。今は安全です。

写真8は満開の梅の木の下、水はけのわるそうな場所でしたが、線量は問題なしです。

駐車場ホットスポットの除染・立入禁止について

駐車場で広範囲にわたるホットスポットを発見し、公園管理事務所に通報、除染を要請しました。範囲は260mにもおよび、国の除染基準を上回る地点が何ヶ所もありました。公園管理事務所は、このうち2ヶ所を除染し、幅5m、長さ200mほどの土地を立ち入り禁止の措置を取りました。

写真9 広大な駐車場の縁石ぎわで若干高い線量を計測、よくあるパターンですが、一応定点測定をしました。

 

写真10 0.23超です。50cm高は0.117ですが、はなさき水上公園は除染しました。

 アスファルトと縁石の際にたまった土を除去したところ、線量は半分以下に、さらにセシウムのピークが見事に消えています。右のグラフの上が除染前、下は除染後です。除染後も0.109ありますが、セシウムと自然放射線が半々という感じです。

 除染は成功です!

写真11は上が除染前、下が除染後です。この部分に関しては劇的に線量が下がっています。除染後の測定で、矢印の右1.5mほどの場所には、地表で0.23を超える場所が1ヶ所残りましたが、管理事務所の職員はそこも追って除染すると話していました。

 県が公園に貸し出した、富士電機製と思われるシンチレーションサーべメーター。報告のために、1ヶ所を5回(45秒)×4方向(東西南北)×3回(1m、50cm、5cm)測定します。合計60回(笑)

 土は重機で除去し、県の指定どおりの方法で、右の場所に埋められるということです。

 作業をするのは、県から公園管理を委託された会社の職員で、全員が始めての体験です。県の役人は誰もきていないようです。

立入禁止にするも要注意

駐車場の西の端から200mは除染はせずに、そのままの状態で立入り禁止となりましたが、最も汚染の高いアスファルトと土の境に杭を打ち、ロープが張られました。ロープの外なら安全というわけではありません。

写真12 上は発見時の測定、下は立ち入り禁止措置が取られたあと、張られたロープの外側の測定です。残念ながら、立ち入り禁止のロープの外の線量が、国の除染基準0.23μSv/hを越える場所が何ヶ所か残りました。管理事務所の所長に報告したところ、「ロープの外の溜まり土は連休前に除去する」とのことです。

いずれにせよロープぎわは高線量であることは変わらず、不完全な形での立ち入り禁止措置となりました。この件については、公園管理事務所の所長は、われわれにはこれが限界だと語りました。

現状では、利用者がこの情報を広く共有し、ロープぎわに子どもを近づけないよう気をつけるしかないようです。

まとめ

・はなさき水上公園は、駐車場に注意をすれば、小さな子どもも問題なく遊ばせられる公園です。特に園内の芝生地や土の散歩道はクールスポット並の低線量エリアです。

 

・わたしたちが、これほど広範囲なホットスポットを発見したのは初めてです。これまでの発見はすべて局所的なスポットで、こうした場所は想定外でした。

 

・さて、私たちの通報と除染要請に対して、はなさき水上公園管理事務所は、誠意を持って対応してくださいました。県に報告したそうで、除染を指示した県の担当者にもまた感謝しなければなりません。局所的な汚染だから、1μSv/h以下は対象外だと突っぱねることもできたと思います。

 事実、秩父市からはそう回答されましたし、加須市も市民に対してそう回答し、両市ともに、公園内の0.23μSv/h以上の場所を放置しています。

 ですから、今回の処置が必ずしも満足のいくものではなかったとしても、私たちにできることはここまで、ということにしました。

 

・今回の測定に関して、もっと詳しい資料が欲しいという方は、当会まで連絡をください。