和光市 県営和光樹林公園

測定日:2016年8月15日(月)9:30~12:30 曇り  微風

測定地:和光市 県営和光樹林公園(和光市広沢3番地内)

測定方法 地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm・50cmの定点測定

 

1.移動測定(0.056μsv/h)

 

 

和光樹林公園は、約20㏊もある大きな公園です。南側は道を挟んで司法研修所や都立大泉中央公園になっています。ここは、米軍のキャンプドレイク返還に伴い整備された区域一部です。西側は陸上自衛隊朝霞駐屯地、北側には県立和光特別支援学校や和光国際高校となっています。名前の通り敷地の半分以上は樹林地帯になっていますが、残念なことに樹木の傷みが激しく、倒木の恐れがあるのでしょう、中には入れません。

 

まず、全体を把握するために一周しました。路面は主にアスファルト(一部人造の敷石)で、公園内との境は、土留めの大きな石が積んであり、場所により1段~3段となっています。外周の空間線量は0.072μSv/hと若干高めでした。東側は東京外環自動車道となっており外付け道路、歩道と公園の境がフェンスで低い値だったので、この積み石からの自然放射線の影響もありそうです。

 

あと面白い結果が出ているのは、南北にほぼ同じような駐車場がありますが、平均値が異なっています。違いは高低差くらいです。南側は山を削り造られています。排水がちゃんとできていれば、北側よりセシウムの移動が進んだということでしょうか。さらに、西側の800mのジョギングコースと中央に位置する1000mのジョギングコースはともにウレタンコースですが、西側が若干高くなっています。この違いは、西側のコースが古そうで、利用者も少ないこと、ということは、利用者の多い1000mコースは、傷みに伴う張り替えとか、利用者の靴に付いてセシウムの移動が進んだとか推察されます。

 

全体を通していえるのは、ジョギングコースも含めて通路は若干高く、疎林地帯や芝生広場などは低いということです。

 

(1) 外周 主にアスファルト (0.072μsv/h
(2) 南駐車場 アスファルト (0.063μsv/h
(3) 北駐車場 アルファルト (0.071μsv/h
(4) 800mジョギングコース ウレタン (0.063μsv/h
(5) 1000mジョギングコース ウレタン(0.053μsv/h
(6) 北疎林地帯 土・草 (0.033μsv/h
(7) 芝生広場 芝 (0.037μsv/h
移動測定の空間線量の平均 0.056μsv/h

 

2.定点測定(60秒の平均)

北側駐車場の南に位置し傷んだ樹木を伐採してスペースを造ったのでしょうか、切り株が目立ちます。まだ計画途中なのかBBQ広場にしては少し粗末です。この日は一組のご夫婦が利用していました。空間線量は低く心配ありません。

西側の要(北駐車場、トイレ、自販機、水場、四阿、ジョギングコースや取り付け道路が交差)のようなところに健康器具が設置してあります。空間線量は低く心配ありませんでした。少し大きめな四阿には常連なのでしょうかご老人たちが6、7人で休んでいました。

この場所は、800mのジョギングコース上ですがアスファルト道路と一段下がった所に1000mのジョギングコースがあり、南駐車場と北駐車場を結ぶメインストリートのような場所です。放射線量は少し高くなっています。右側の一段下がったジョギングコースは低い数値でした。(人が歩いているところが1000mのコース)

経験時にウレタンに入り込んだセシウムは、どこも比較的高い値を示します。スペクトルからもハッキリ確認できます。土壌のような攪拌や移動が少ないことによると思います。

東の芝生広場の南は一段低くなっています。ここに水場(水路?)があります。干上がっていますので、果たして使われているのか定かではありませんが、たどっていくと和光市総合体育館の下に行き着きました。ほとんど草で覆われているのですが、下りられる所を選んで測定しました。

セシウム137がハッキリ確認できます。水がないのを幸いに探検?している姉弟がいました。ここで男の子は虫かごを持ってきて、捕まえた虫を自慢げに見せるので、この場所は危ないからと芝生の上で遊ぶようにいいました。

芝生広場の北側にユニバーサル遊具と三世代遊具があります。大勢のファミリーで賑わっています。三世代というのは、小さなお子さんと年寄りに優しい遊具という意味でしょう。この公園で一番低い数値を示しました。安心できる場所といえるでしょう。

エントランス広場の西側に大きな屋根付き広場があります。半円形の屋根に雨樋はなくダイレクトに流れ落ちる構造です。こういった場所はセシウムの移動と濃縮が起こりやすいのですが、案の定、今回の測定で一番高い数値を示しました。雨水受け用の浅い溝ですが草が覆っているため、草を挟んでの測定でした。お子さんには近づけさせたくない場所です。下のグラフからもセシウム137がハッキリ確認できます。

3.まとめ

 

東京との県境にある大きな公園で、利用者も多いようです。ジョギング、ウオーキング、犬と散歩、ファミリー、ポケモンGO、紙飛行機を飛ばしているおじさんたち、キャンプのテント張りの練習をしている親子、駐車場で休息しているドライバーなどバラエティーに富んでいます。南側にある都立大泉中央公園はスポーツを楽しむ施設が多いようで対照的です。

肝心の放射線の空間線量は、全体的には心配するレベルではなく、疎林地帯や広場などは低く安心できます。しかし、大屋根広場の雨水受けのように注意が必要な場所もあります。あと気になったのが、ここの樹林は再生できるのかということです。(吉田) 

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